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学校訪問記 vol. 15 杉並区立高井戸小学校学校

2009年02月17日(火)「杉並区立高井戸小学校学校」

写真(高井戸小学校の皆さんと心の宅急便のメンバーの写真)

「写真(高井戸小学校の皆さんと心の宅急便のメンバーの写真)」

京王井の頭線高井戸駅から歩いて1分、環状八号線に面して校舎が建てられている杉並区立高井戸小学校は、その校歌にもあるように♪教室から見える杉木立♪ ?窓から見える富士の山?と、都会の喧騒を忘れるような素晴らしい環境に恵まれている。明冶8年の開校以来133年の歴史は地域からの信頼も厚く、学校と地域が連携した授業も行われている。

今日も、「心の宅急便」の車が学校に着いた朝の9時15分、校庭では3年生の社会科の授業で、地域の消防団の方々が15名ほど教えに来てくれていた。赤い消防車を囲んで、十数人の児童がキラキラと目を輝かせて何やら消防団の方に質問していた。なんだかとっても楽しそうだった。

楽しそうと言えば、校門の右壁には「高井戸小学校」の校名の上に、子供たちが大好きなドラえもんの絵が描かれている。その上に「笑顔と元気」の標語が。

校門を入ると右手に体育館になる予定の区画が現在遺跡発掘調査のために掘られている。ここは2万年前の地層で、この下は針葉樹林だったそうだ。石器類も見つかっており、日本最古(32000年前)の炭化材も発見されている。

だが、左手には昨年新設されたばかりの新校舎が輝くばかりに建っている。そう、古い古い歴史を持つこの高井戸小学校は、最新の設備を備えた素敵な小学校なのだ。

玄関を一歩入れば 床はバリアフリー。身体の不自由な方や車椅子の児童のためのエレベーター。床がピカピカに磨かれているゆったりとした廊下は3メートル80センチ。普通の学校の廊下の二倍の広さはあるだろうか?エアコンが行き届いた新校舎の教室はどの学年も扉のないオープンルームである。保護者がこっそりと教室のドアの隙間や小さな窓から中を覗き込む必要はない。どの教室も、地域の方や保護者の方が授業風景を自由に見学できるのだ。又、全学年の教室は一学年3クラス並んだ教室に沿って同じスペースの「オープンスペース」もある。学習や多目的に使用している。

二階には図書室と一緒になったパソコンルームがあり、最新のパソコンが40台テーブルの上に置かれている。ここでは、固定時間割に週一時間のコンピューター室使用時間を割り当て、児童が計画的に使用できることになっている。その他諸々の設備の新しさ便利さも子供たちにとっては嬉しく楽しいことばかりに違いない。

「新校舎になってから、児童の登校が早くなりました」

“ドラえもん先生”のニックネームがある名物校長先生の久保田福美先生がにっこり。

旧校舎の時は、8時30分ギリギリに駆け込んでくる児童が多かったのだが、新校舎になってからは朝の登校時間が早まり、早い児童は7時45分くらいから待ちきれないように学校に姿を現し、8時15分くらいにはほとんどの児童が登校しているそうだ。

だが校舎以上に高井戸小学校の児童の心を掴んでいるのはドラえもん校長先生だ。広い校長室には壁に沿ってギャラリーのような棚があり、そこには久保田先生のコレクションと父兄のコレクション、合わせて百数十体のドラエモンのフィギュアーが飾ってある。ふと視線を上げると、壁にも他の棚にもドラえもんが一杯!ドラえもんシリーズの漫画全集も置いてある。

写真(ドラえもんがいっぱい)

「せんせー!借りてくねー」「せんせー、返しにきたよー」とドラエモンの漫画を借りに来たり、返しに来たりする児童たち。

「はーい、面白かったですかー?」「ああ、ずいぶん読んだねえ」とやさしい久保田校長先生の声に、嬉しそうに応える児童。この校長室はドアがあってもドアがない、ドラえもんの「何処でもドア」なのだ。

高井戸小学校の久保田校長先生をご紹介くださったのは、井荻小学校同様、昨年講演した「杉並区小学校PTA連合協議会」の執行部役員を務めていらっしゃる、高井戸小学校PTA会長の尾崎ゆかりさんである。「心の宅急便」から生まれたメッセージソング「友だちにならない?」を執行部の皆さんと一緒に「杉並からこの歌を!」と杉並小学校44校に呼びかけしてくださった方だ。そこから歌はまた広がり、今年の夏、杉並区小学校20校が参加するママさんコーラスの発表会では全体合唱する「課題曲」として歌ってもらえることになった。

「実はね、今日の講演の時に生徒たちに歌って迎えようと練習していたのですが、時間が足りなくてまだ上手に歌えなくて。ごめんなさい」と久保田先生。ゴメンナサイなんて、とんでもない!もう、授業で歌ってくれているんだ!嬉しいなあ!!

今日の「心の宅急便」は3年生と4年生の児童、130人が対象である。井荻小学校では6年生が対象だったので「あなたがいい」と「手のひらのしあわせ」の朗読をして、いじめのテーマも少し突っ込んだ話をしたのだが、今日は少し幼い年齢なので朗読は「野良猫ムーチョ」一冊にさせてもらった。生まれつき盲目の野良猫ムーチョが親と離れ、兄弟と離れ、愛を知り、愛を亡くし、そして新しい家族と出会い一生を終える、この物語が終わった後に、「ムーチョが不幸だったと思う人?」と問いかけると誰一人手を挙げず、「幸せだったと思う人」と問いかけると、全員が「はーい」と勢いよく手を挙げてくれた。

猫にも人間と同じように心もあり、喜びも悲しみもあり、人間の人生と同じように猫生があると言うことを、子供たちはしっかりと感じとってくれたようだ。

ハープコーナーでは、長村さんがアイリッシュハープの説明をし、イギリスの民謡「グリーンスリーブス」、映画、「千と千尋の神隠し」から「いつも何度でも」を2曲演奏した。

大人でもハープの演奏を生で、近くで聴くことはそうそうない。子供たちにとっては尚更だ。質問コーナーで、子供たちは興味深々の質問を投げかけてくれた。「どのくらいの時間で弾けるようになるの?」「ハープを演奏するようになったきっかけはなあに?」そんな質問の中で、「えーと、ハープを習ってから何年経ちますか?」と、年齢を知りたいらしい質問があり、保護者席のお母様からもドッと楽しげな笑い声が湧き上がった。どうやら子供も女の人の年齢には大変興味があるらしい。

豆紙人形と制作者の母の話では、やはり「目が悪いのに どうしてそんなに小さなお人形が作れるの?」が一番の関心だったようだ。「目も鼻も口も描いてないのはどうして?」
と聞くので「それはみんなが一人一人自由に感じるためだよ」と答えると、「そっかー!」と素直に頷く。なんて可愛い!

講演が終わって お人形の後片付けをしていると、もうオープンルームのお教室で次の授業が始まっていた。黒板に「野良猫ムーチョ」「生きる」「心」の文字が書いてあるのが見える。早速に今の講演を授業のテーマに取り入れてくださっているのだ。ハイ!ハイ!と手を挙げて先生に答えている子供たちの授業風景を眺めながら、校長室に向かった。

写真(給食)

校長室では杉並の小学校を訪れる度に恒例となった「給食タイム」。竹之内研也副校長先生が、私たちの給食を運んでテーブルに並べてくださった。ウワー!美味しそう!!

今日のお献立はカレー味のメキシカンライス(鶏肉、玉ねぎ、マッシュルーム、コーン)に、ガーリック味のフライドポテト。そして豚肉と具沢山の野菜スープ(白いんげん、じゃが芋、人参、玉ねぎ、キャベツ)、そして牛乳。

さっぱり味のメニューに「心の宅急便」のメンバーも完食!

「杉並区は風味のためパックではなく瓶の牛乳にこだわっています」と久保田先生。高井戸小学校は太陽光発電、雨水利用、屋上及び壁面緑化とECO推奨の学校である。壁には校長先生の一句が。「初夢はECO(いい子)の花咲く新校舎」お見事!

今日も美味しい給食をいただき、ほのぼのとした想いで高井戸小学校を後にした。

久保田校長先生、竹之内副校長先生、授業で「友達にならない?」を教えてくださった音楽の北根先生、ムーチョの授業をしてくださった平野先生、美味しいお茶やコーヒーを何回も入れてくださった用務の片倉さん、豆紙人形の展示をお手伝いくださったPTA役員の角さん、小野里さん、木村さん、会長の尾崎さん、そして高井戸小学校の児童の皆さん、ありがとうございました!

杉並区立高井戸小学校学校の公式サイト


                                                                                                                         
 
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