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学校訪問記 vol. 34  12月 6日(火) 横浜市立滝頭小学校

12月 6日 横浜市立滝頭小学校



滝頭小学校の皆さんと
 
滝頭小学校正門前

「心の宅急便」の活動で得られる何よりも大きな財産は“人”である。子供たちの今を、未来を、その心を大切に思う先生方、保護者の皆さん、地域の方々、訪れる学校で出逢う人々の熱い思いに触れる度、毎回思う。“出逢えて よかった!” 一回の出逢いがそれで終わらず、また同じ学校に呼んで頂いたり、先生方の転任先の学校に呼んで頂いたりして懐かしい再会を果たす場合は喜びもひとしおである。先々週、四年ぶりに再会した新羽中学校副校長・鹿島雅子先生に続いて、今日の磯子区・滝頭小学校校長、笠原徹也先生も四年前、同じ軽井沢中学校を訪れた時の校長先生と副校長先生だった。 「お久しぶりです!」と温かい笑顔で迎えてくださった笠原先生は少しも変わらない。初めてお会いした時、子供たちの心について二時間以上を語り合った“あの時”のままだ。 「いやー、最初の一年間はね、子供たちに馴れるのに必死でしたよ」と笠原先生。中学校から小学校に替わり、最初の頃は一年生が宇宙人のように遠い存在に思えたそうだ。子供たちとの距離を縮めるために笠原先生が取り組んだのは“近づきにくい威厳のある校長室”ではなく、“親しみやすい楽しい校長室の開放”だった。校長室の大きなテーブルの入り口に一番近い場所には日本地図のパズルや剣玉などの子供たちのオモチャが沢山入った籠が置いてあった。テーブルの中央には珍しい白めだかの水槽。子供たちは生き物が大好きだ。「アッ めだかだ!校長先生もめだかが好きなの?」そんな会話から子供たちとの距離と壁がなくなる。笠原流校長室の主人公はなんと言っても笠原先生の専門の理科を生かしたオモチャである。水を入れたペットボトルの中に、お弁当醤油差しなどに釣りのおもりをつけて入れ、しっかりキャップを閉めて手で力一杯に押すと水圧で中の醤油差しが上がったり下がったりする「浮沈子(ふちんし)」だったり、オイルに満たされた中に入れられた比重の軽い着色した砂粒が上へ上へと吹き上がって行く不思議な逆さ砂時計だったり、偏光板を重ねて黒くなったり透明になったり、マジックのような面白さを子供たちに見せて子供たちを楽しませている。理科を嫌いにさせない、「理科って面白いんだぞ!」を知ってもらうための取り組みだ。「ここから理科の先生が一人でも生まれてくれたら・・!」それが笠原先生の夢だ。 「笠原先生から心の宅急便の存在をお聞きして、この学校にお呼び出来る日を二年間待ちました!」そう言ってくださったのはPTA会長の青木美佳さん。仲良し六人組のPTAの役員の皆さんと楽しみにしていてくださったそうだ。成長期の子供たちの心は秋の空のようにめまぐるしく変わる。いじめに関しても、いじめる側からいじめられる側に何時移行するか分からない。一瞬にして立場が逆転する、そんな危うい年代の子供を抱える親の願いはただひとつ。幸せな学校生活だ。私の娘が経験したいじめと言う悲しい話も、皆さんは親として重ねる思いがあったのか時に涙ぐみながら講演の感想を語ってくれた。 この学校の子供たちで気がついたのは、「ありがとうございました!」の掛け声が多いことだった。講演が終わった後、豆紙人形の見学の時、廊下ですれ違うとき、天真爛漫な笑顔と共に口々に投げかけてくれる言葉が「ありがとうございました!」だった。思わずこちらからも「ありがとう!」の言葉が口からついて出る。笠原先生、PTAの皆さん、そして丁寧な打ち合わせのメールを何度もくださり、CD操作をして下さった松枝恒至先生、舞台照明のオンオフでも進行にあわせてお世話頂いた影山先生、後藤先生、ありがとうございました。又 いつかお会いできる日を楽しみに!



珍しい白めだか



理科を生かしたオモチャ
           
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