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2010年6月1日(火) 北米 シアトル 公立イングルモア高校

2010年6月1日(火)北米 シアトル 公立イングルモア高校

シアトル 公立イングルモア高校近影

シアトル 公立イングルモア高校近影

心の宅急便メッセージソングを日本語で歌う生徒たち

心の宅急便メッセージソングを日本語で歌う生徒たち

■「歌の力」

イングルモア高校は7年前、母、マサコ・ムトーの豆紙人形を日本語クラスの生徒に見せるために訪問したことから、担任のノブエ・フクワ先生とすっかり仲良くなり、長いお付き合いをさせていただいている。昨年秋から、フクワ先生は「心の宅急便」のメッセージソング「あなたがいい」と「友だちにならない?」を日本語の授業として取り上げ、生徒たちは歌の内容やいじめについてデイスカッションしたり、英訳した歌を歌って吹き込みCDを送ってくれたりと、時間をかけて理解を深めてくれていた。今春からは4年生が卒業を間近に控えた授業の中で、絵本「あなたがいい」のリレー朗読(数行ずつ)を日本語で練習した成果を舞台で発表し、メッセージソング2曲は3年生も舞台に上がって一緒に合唱してくれた。生徒たちは日本語の朗読も頑張っていたが、歌はより力強いはっきりとした日本語で、いきいきと発声していた。言葉の壁を易々と超える歌の力の凄さを改めて感じた。

生徒達の朗読講演風景

生徒達の朗読講演風景

フクワ先生と生徒たち

フクワ先生と生徒たち

■「健全な心の生徒たち」

シアトルという教育熱心で豊かな経済環境の中で育った高校生と言うこともあるのだろうが、彼らの日本や日本語への理解、そして、マナーの良さや優しさには感動し心打たれた。
学校内にあるミニシアター会場には、日本語を学ぶクラス21名を含む一般の生徒150人が参加してくれたのだが、日本からイングルモア高校へ届けられた横浜市立川井小学校の「歌のビデオレター」がスクリーンに投影されると、川井小学校生徒代表の英語の挨拶スピーチにも大きな拍手、拙い私の英語の講演にも、そして日本語での朗読にも温かな大きな拍手を送ってくれる。英語の苦手な私が英語で講演するという恐ろしいことをやってしまったせいで、講演途中「あれ?今 何を話しているんだっけ?」と頭が真白状態になった時も、私が思い出すまで、ゆっくり待っていてくれたやさしい生徒たちだった。

朗読講演風景

朗読講演風景

真剣に聞く生徒たち

真剣に聞く生徒たち

ふと 気がついたのは、化粧をしている女生徒は一人もおらず、とっぴなファッションをしている生徒も一人もおらず、講演が始まる前の会場でも誰一人携帯をいじっている生徒がいなかった。素朴で素直で真面目で気持ちいい「高校生らしい」その当たり前の姿が、何かとても新鮮に嬉しく感じた。

心の宅急便メンバーとショルツ悦子さん

心の宅急便メンバーとショルツ悦子さん

 「歌でいじめをなくしたい!」横浜市立川井小学校の取り組み

横浜市立川井小学校

横浜市立川井小学校

イングルモア高校に「歌のビデオレター」を送った横浜市立川井小学校の子供たちはズーラシア動物園に隣接する緑の多い環境で育った、歌の好きな、素朴で元気のいい子供たちである。
昨年 11月、川井小学校で「心の宅急便」の朗読講演をした際に 驚かされたことがあった。講演の中で紹介するメッセージソング「あなたがいい」を川井小学校が楽譜とCDを道一本挟んだ正面の都岡中学校から事前に借りて練習し、全校生徒で歌って迎えてくれたのである。
その素晴らしい歌声に「心の宅急便」のメンバーは全員感動したものだった。

生徒達の合唱風景

生徒達の合唱風景

「心の宅急便」は都岡中学校古川三千代先生の大きな後押しで三年前にスタートした。
その都岡中学校での講演を上の子の保護者として、聴いていてくれた川井小学校のPTAの方々が「今度は下の子の川井小学校に!」と「心の宅急便」を招いてくれたのだった。
スタートの関わりの深さが、講演後、川井小学校のメッセージソングに対する「歌でいじめをなくそう!」の取り組みとなった。その最初の呼びかけがイングルモア高校への「歌のビデオレター」だった。それを受けたイングルモア高校の生徒たちからも「歌のビデオレター」が返ってきた。そして、川井小学校の歌のビデオレターはJ・スタンフォード インターナショナル スクールへと繋がった。
「順番が逆だったけど、これからは日本の学校にも呼びかけたい」
そんな川井小学校の次のステップを私は心から楽しみにしている。

北米 シアトル 公立イングルモア高校の公式サイト

                                                                                                                         
 
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