⑫ 「早渕川の猫たち」 ~白くないけど 雪ちゃん~(2) |
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どうして雪ちゃん? |
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「この子、保健所で処理される二日前に、可哀想でウチで引き取ってね。雪ちゃんて言うんだ」まるで関係ない猫の話をするようにポソポソと話してくれたその人は雪ちゃんの飼い主だった。<よかった!この子は飼い猫なんだ!>私はホッとした。
「あれから16年、この子も今じゃ20歳くらいの婆さん猫だよ。私よりトシ取っちまった」そんな話を雪ちゃんは何処吹く風と知らん顔で聞いている。 「引き取ったときゃ毛をすいてもらっていないから、毛がよじれて編みこみになっていて痛がって大変でね、医者に連れて行って注射をしてもらって、毛を綺麗にしてもらったら、猫は保険が効かないから、一年分のお小遣いが一ヶ月で飛んじまった・・・」
雪ちゃんのお母さんのお話は続く。「ほんとこの子は我儘で気難しくて、櫛でとかされるのが嫌いで、蚤ダニの薬をやられるのが嫌いで、同じ缶詰を食べるのが嫌いで・・・
何十種類も缶詰やったのに、ちっとも懐かなくてねえ・・息子は大好きでゴロゴロ喉を鳴らすのに、私にはちーっとも!」可愛くないと言いながら、雪ちゃんを見る目は慈愛に満ちていた。
「雪ちゃん、おいで」と声をかけると、そろりそろりと私の方に寄ってきた。 「おや、珍しいねえ。人を信用していないから、人の傍には滅多に寄らないんだけどねえ」
雪ちゃんのお母さんが初めてにっこりと笑った。それからひとしきり雪ちゃんの話を聞いて立ち去った後、ふと聞き忘れたことをひとつ気がついた。なんで白くないのに雪ちゃんなんだろう?振り返ったら、もう雪ちゃんもお母さんも姿はなかった。 もしかしたら、雪ちゃんは雪の日に引き取られた猫なのかも・・? |
⑪ 「早渕川の猫たち」 ~白くないけど 雪ちゃん~(1) |
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去年の雪ちゃん |
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去年の夏、早渕川の散歩の途中で会ったブルーペルシャの”雪ちゃん“に、久し振りに会った。あれ以来会わなかったから気になっていたのだが、痩せてもいないし、毛並みも綺麗だから安心した。相変わらず首輪もしていないで、土手沿いの道をふらりふらりと歩いていた。「雪ちゃん、元気?」と声をかけたら、足をとめて頷いた、ように見えた。去年より少し老けたかな?
最初見た時、捨てられたばかりの猫かと思った。歩き方が目的もなく、帰る家もなく途方にくれているようだったからだ。野良で逞しく生きてきた猫にはとても見えなかった。飼い猫で育った子が捨てられると生き方を知らないから惨めだ。特に、こういう長毛種の猫は、ちょっとでも手入れが行き届かないとすぐ毛が絡んで肉が引きつってしまう。私が最初に飼ったチンチラシルバーの五右衛門がそうだったから、なんだか立ち去り難かった。
「その子、お婆さんに飼われていて、お婆さんが死んだので何人かたらいまわしにされてねえ・・」 植木の手入れをしながら私の様子を眺めていたご近所の年輩の奥さんが声をかけてきた。「若い頃はもっと毛がふさふさして、クマさんみたいだったよ」その人は作業の手を止めて雪ちゃんに視線を注いだ。
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⑩ 「その後のニケトラ」 |
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いつも一緒のニケトラ |
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ニケトラが我が家の家猫になってから5年半が過ぎた。眼球を抉り取らなければならないかもしれないと心配されたトラは、私と娘の看病の甲斐あってか手術もせずに左目は見えるようになった。右目は全く見えないが、最初から片目しか見えなかったせいか本人は、いや、本猫は少しも気にしていないようだ。いたっておおらかに健康に育っている。トラは気のいい猫だがちょっとお馬鹿さんだ。“トラ”と言う名前が自分だと覚えるのに二年以上もかかった。「ニケー!」と呼んでも「トラー!」と呼んでも「ニャー!」と甘えて飛んでくる。どちらが自分の名前なのか判断がつかないのだ。
一方、ニケは最初から頭がよかった。「ニケ」と言う自分の名前しか振り向かない。振り向くが、トラのように「ニャー!」とは飛んで来ない。立ち止まり、「何?何の用?」と言う風にちょっとだけ反応して、サッサと離れてしまう。可愛くないがそこが可愛い。矛盾するが猫馬鹿とはそう言うものだ。ニケは残念ながら癲癇の持病を持っている。我が家に来て三ヶ月目に物凄い泡を吹いて痙攣した姿を見て私は仰天した。死ぬかと思うような苦しみ方なのだ。2分ほどもがいて苦しみ、しばらく死んだようにぐったりしている。その後はケロリとして猛然と餌を食べ始める。訳が分からないまま医者に連れて行くと「癲癇です」と言われた。猫や犬の癲癇は人間と違って大人になっても治らないのだそうだ。「一生付き合って行かなければなりません」と悲しいことを告げられた。それ以来、ニケは朝晩薬を飲み続けているが、十日に一回のペースで相変わらず<このままで死んじゃうの?!>と思うような痙攣を起こす。痙攣を起こす度、脳細胞が少しずつ破壊されていくと聞いて、こんな苦しい思いをして生きなければならないなんて!と可哀想で涙が出る。
あれから5年、相変わらずニケの痙攣は治らないが、それでもそれ以外は元気に過ごしている。何よりも、上の写真のように、ニケトラはいつも兄弟と言うよりは恋人同士のようにいつもぴたりと寄り添って暮らしている。この幸福が何処まで続くか分からないが、
先のことは考えないようにしている。少なくとも、我が家に拾われていなかったら5年前に確実に死んでいたのだから。 |
⑨ 「病気持ちの兄弟猫」 |
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一ヵ月後のトラ |
一ヵ月後のニケ |
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結局、二匹の猫はニケトラと名付けて我が家で飼うことに決めた。ニケトラが我が家に来た二年前、初代猫、チンチラシルバーの五右衛門が16歳の命を閉じた。五右衛門との別離が悲しくて悲しくて立ち直るのにかなりの時間がかかった。あんなに泣いたのは生まれてこのかた初めてだった。だから、もう新しい猫は飼わないと決めていた。だが、いかにも病気もちのようなこんな兄弟猫を二匹揃って誰かが引き取ってくれるとは思えない。こんな小さい仔猫を見捨てる訳にはいかない。弟らしき目の見えない茶トラ猫を背後に庇ってフーフー人間に逆毛を立てている二毛猫の姿がいじらしく、この 二匹を一緒に飼ってやろうと覚悟を決めた。 決めたなら最初にやることは獣医に連れて行くことだ。日は暮れかけていたがまだ間に合う。すぐに私は二匹を籠に入れて近所の病院に向かった。 「この子たちは他の家猫と一緒にしないでください。色んな菌を持っています」 医者はウジャウジャ病原菌らしきものがうごめいているスクリーンを見せてそう言った。 「こっちの茶トラは、もしかしたらこのままずっと見えないままかもしれません。片目は確実に駄目です。いずれ眼球を取り出す手術が必要になるかもしれません」 そう聞いても今更引き返せない。 「お前たち、頑張って一緒に治そうね」私は二匹に声をかけた。 |
⑧ 「二ケトラ兄弟」 |
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こんなに可愛い目! |
新顔トラ |
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我が家の玄関前の猫小屋に捨てられていたのは一匹だけではなかった。最初に見た猫は白地に茶の二毛猫。缶詰の餌を小さな皿に乗せて離れて見ていると、小屋の陰から少しずつにじり寄り姿を現した。キョロキョロ辺りを見回し、私の姿を見ると一人前にフーッ!と逆毛を立てて威嚇した。女の子のようにつぶらで丸く可愛い瞳をしている。その優しげな風貌で私を脅す姿がおかしかった。 「大丈夫だよ。お食べ」そう言ってもう少し遠くに離れてやると、安心したのか皿に口をつけた。二、三口食べたかと思うと、「食べるなよ」とでも言うように私を一睨みして庭のほうにサーッと走り去った。あら、どうしたの?と思う間もなく二毛猫は戻ってきた。その後ろにもう一匹、更に痩せて小さな茶トラの仔猫がいた。両目が目やにでただれ目が見えないようだった。二毛猫の匂いをかいでついて来ているのか動きが遅く鈍い。 二毛猫もよく見ると右目がおかしい。明らかに右目の色が異常だった。 二毛猫は茶トラを餌の皿まで誘導し、さあ、お食べと言うように鼻先でお尻を押しやり、また私の方を見て「食うなよ!」と言うようにフーッと威嚇した。 「ねえ、あんたたち兄弟?、二匹で捨てられたのォ?」どうしよう・・?困ったねえ・・。私は途方にくれた。 |
⑦ 「二ケトラ物語」 |
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この二匹の子猫が我が家に捨てられていたのは、忘れもしない2006年9月12日の
夕方5時頃だった。何故そんなに正確に覚えているかと言うと、翌日、生命を賭けた大きな手術のために主人が入院することになっていたからだ。
外出先から帰宅した私の目に、玄関前の猫小屋の付近でサッと身を隠した小さな影が飛び込んだ。初秋の太陽はまだ高く明るく、小さな影の一瞬の素早い動きも見逃さず姿形を照らし出していた。
「仔猫だ!」と、すぐに分かった。それも生後一ヶ月経ったかどうかの痩せた仔猫。
白地に茶色の二毛猫だ。ある程度育った猫なら我が家の外猫の餌を知って門の中の猫小屋まで侵入してくるのもあり得るが、こんな小さな仔猫が突然何処からかやってくることは考えられない。誰かが私の猫好きを知って捨てに来たのだと思った。
「どうしよう・・?」しばし私は立ちすくんでいた。
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⑥ 「ムーよ、お前、何時の間に!」 |
私だって女よ |
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誰にでも好かれ、誰にでも可愛く甘えるムーが、いつの間にか女になった。 「ねえ、ムーちゃん、ちょっと太った?」「いや、お腹が大きくなったんじゃ・・・?」
子猫だとばかり思っていたムーが妊娠していた。 「ねえ、相手誰?オソノはオカマだし、バンバン、ボンボンも去勢してあるし・・・」 娘たちと思わず顔を見合わせた。「まさかー?!!」
もしや、もしや、あの“飯時だけ”風のようにやってくる片目のジャックでは?!! 犬のように画体がよくて猪首のジャックは、片目がつぶれた迫力のある野良猫で、人間で言えばやくざの大ボスだ。去勢しようとしても捕まらないし、私も恐ろしくて触れない。
「あいつに似た不細工なのが何匹もゾロゾロ出てきたら、どうしよう?!」 だが、そのまさかは恐ろしい現実だった。ムーとジャックが仲良く寄り添っていたのだ。
私はゾッとした。「一刻も早く避妊しなくっちゃ!!」 ムーは、猫には誰にでも可愛く懐くのに、人間に関してはかなり警戒心が強い。家に入れて飼おうと思っても近寄るとサーッと逃げてしまうのだ。
大きな檻を借りて餌を仕込み、三日かけてやっと掴まえ医者に連れて行った。 「三体、入ってました」と医者が言った。「もう少しで産んでましたね」 ウへー、危ないところだった・・・・!!
母親になり損なったムーは、何故か避妊の後から人間にも懐くようになった。だが、家に入ると又手術されると思うのか、家にだけはどんなに誘っても絶対入ろうとしない。ムーは、外猫としての道を選んだのだ。
あれからもう10年。ジャックは姿を見せなくなったから死んだ・・?らしい。 ムーは今、元夫・ジャックの替わりに、オソノ爺さんの連れ合いになって猫小屋で平和に暮らしている。ムーももう11歳。歳のせいか、ジャックと恋?をしていた頃の美貌はすっかり陰をひそめ、しっかりと中年オバサンの顔になった。夫婦は似てくると言うが、元旦の朝、オソノと並んで日向ぼっこをしているムーは、オソノのレプリカである。
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⑤ 「白い季節に来た白い猫」 |
私が何か? |
ムーは、2000年の白い季節にやってきた白い子猫だった。 確かクリスマスの頃だったと思う。雪が降っていた・・と言う記憶がある。 うっすらと白く染まった家の前の坂道を、軽やかに飛び跳ねていた子猫がいた。それがムーとの最初の出逢いだった。 綺麗な白い猫だから、野良猫とは思わなかった。何処かの家で飼われている子猫が遊びに来ているのだろう、と思っていた。 ムーが来ると、餌を前に醜く順番を争い、一触即発の険悪ムードで向かいあっている猫たちが、なんだかスッと戦意を引っ込める。そして、「おう、小さいの、お前が先に食べナ」みたいなイイ格好をして譲り合う。微笑ましくも信じられない光景だった。 我が家の外猫と言っても、バンバン&ボンボン親子以外は互いに血の繫がりのない野良猫同士だ。弱い猫をいたわり譲り合うなんていう仁義も道徳も一切ない。それが何故かムーだけには紳士淑女になってしまう。ムーだけには、みんな嫌われたくないのだ。 「ムーみたいになってみたいものだね」 我が家の女どもの本音である。 |
④ 「美猫ムー」 |
ムーです |
人間でも、そう美人と言うわけじゃないのに、なんだかとっても綺麗に見える女性がいる。その人の醸し出す雰囲気や人柄のよさ、表情の柔らかさなどが「綺麗!」と思わせてしまうのだ。 我が家の外猫ムーも、そのタイプだ。よく見ると目は斜視だし吊り目(まあ、猫だから仕方ないか・・)だし、鼻の傍にそばかすみたいなシミも結構ある。でも、パッと見は綺麗に見えるのだ。 ムーの武器は何と言っても全身真白な毛で覆われたしなやかな体と金色の瞳だ。「美人の条件」いや、「美猫の条件」を完璧に備えている。 かてて加えてムーは穏やかでやさしい性格を持っている。どの猫にも風に揺れる葦のように逆らわず、どの猫にもそっと寄り添って甘え、それでいて世渡り上手と言った計算が少しも感じられないのだ。つまり、芯から“お猫柄”が好いのだ。だから、どの猫もムーのことは好きだった。気性の荒い野良ボスのジャックも、性格の悪い外猫オソノ婆さんも(実はオス猫だったが)、たまに立ち寄る拗ね者の“もどき”も、 白黒まだらのバンバン&ボンボン親子も、我が家の餌場にたむろし、互いに外猫の立場で小競り合いをしていたどの猫もムーだけにはやさしかった。ムーは ずっとみんなのマドンナだった。 |
③ 「オソノ婆さんの正体」 |
婆さん猫とばかり思っていたオソノは、実はソノオ君だった。 確かにメス猫にしては身体がデカイし目付きも悪いし、その上気が強く可愛げもなかったけれど、男の子の大事なものがついていなかったので、てっきりメス猫だと思ったのだ。
そう言えば、オソノは全くもってモテナイ。気の毒なくらいモテナイ。どのオス猫も オソノには一切関心を持たず近づこうともしない。いくら婆さんでも、ああはなりたくないものだ・・と我が家の女ども(まあ、私と娘二人だが・・)は思ったものだ。モテナイと言っても、盛りの時期になるとオス猫は見境がなくなる。
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オソノが我が家の外猫として居ついてからニ週間後、心配になって避妊手術をするために医者に連れて行った。ついでに蚤やダニ、病気も調べてもらった。 「オソノさん、そんなに年寄りじゃありませんよ。結構若いし健康です」 にっこり笑って医者は言った。そして重ねたもう一言に私は仰天した。 「オソノさん・・・男の子です」「え?エエーッ?!!」 オソノは、「ソノコ」さんではなく「ソノオ君」だったのだ。元の飼い主に去勢されていたので“ナニ”が見えず、勝手に私たちがメス猫と勘違いしていたのだった。どうりでオスにはモテナイ筈である。今 オソノは新しい外猫ムーちゃんのご亭主になっている。 |
② 「外猫オソノ」 |
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11年前の冬、何処からか流れてきた婆さん猫がいた。雌猫にしては大柄なでっぷりとした体で、般若のように目つきの悪い猫だった。そのくせやたら人懐こくてゴリゴリ体をすり寄せ甘えて来る。元は飼い猫だったようだ。擦り切れそうに古く汚れているのに、まだ頑丈さを保っている小さな首輪が、残酷にも深く首に食い込んでいた。小さい頃に捨てられたまま、迷子になって流れてきたのだろう。首輪を外して餌を与えたので そのまま我が家に居つくことになった。家の中に入りたがったが、当時、我が家には老衰で体が弱っていた「五右衛門」と言うチンチラシルバーの猫がいた。エメラルドのような美しい瞳を持った白いふわふわの毛玉のように愛らしい子猫の時に出逢い、猫嫌いだった私の心を一瞬にして奪い、それ以来16年、家族以上の大切な存在になっていた。 野良猫はどんな病気を持っているか分からない。五右衛門の命を縮めるかも知れないオソノを家に引き入れて一緒に飼うことは出来なかった。家の中には入れなかったが、流れ者の婆さん猫は外猫として飼うことにした。温かい毛布を一杯敷き詰めた玄関横の猫小屋で、流れ者の猫は我が家の外猫となった。尻尾は黒く、背中と左耳に黒い毛はあるが全体に色白なので、「オソノ」と呼ぶことにした。色白で有名なカリスマ美容研究家「そのこさん」にあやかった名前である。 |
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ガラス越しのオソノ |
玄関前の猫小屋 |
① 「犯人は誰だ・・?!」 |
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最近 何処かの犬が大きなウンチを我が家の前の道路に落として行く。塀に沿って植えてあるラヴェンダーのプランターの前に、これ見よがしの大きい奴をモリモリ。最悪――!!「何処の犬だー?!飼い主は誰だ?!」犬のウンチの始末もしない飼い主の顔を見て一言文句を言ってやろうと、毎朝花に水をやる時間をずらしながら見張っているのだが、なかなか網に引っかからない。7時、6時半、6時、5時半と時間を早めてみて・・・「シマッタ!寝過ごした!」朝の7時半に飛び起きると、もう既にいつもの定位置は綺麗に洗い流されていた。「片付けといたからねー!」お向かいの家の奥さん、Sさんからお声がかかった。早起きで世話好きのさんは、自分の家の前だけでなくご近所の家の前の道路も綺麗に掃き清めてくれるのだ。「いつもすみません。それにしても毎日毎日、いったい何処の犬なんだか・・?!」Sさんが目を丸くした。「あら、知らなかったの?これ、犬のウンチじゃないよ」「え?・・・じゃあ、誰が?まさか・・まさか?!」「そう、犯人はお宅の・・!」Sさんの笑いをこらえた視線の先に、悠然と車庫前からこちらを見ている我が家の外 猫「オソノ」の姿があった。 |
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